top of page

ボジョレー・ヌーヴォー販売にこだわる理由。

本日解禁となりました、ボジョレーヌーヴォー。

みなさん、もう楽しまれましたか?

おかげさまで、今年は70件ほどの出荷となり、

たくさんご予約いただきましてありがとうございました。

ご予約いただいた方へ、本日お届けのボジョレー

ヌーヴォーと一緒に、私の想いを簡単に書かせて

いただいたものを同封しました。

飲んでいただく方へ向けてのメッセージ、

と思ったのですが、内容に共感してくださる方

のご感想をたくさんいただきましたので、

こちらのblogにも書き残しておこうと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このたびは、

[ドメーヌ・デ・ロンズ・ボジョレー・ヴィラージュ

・プリムール 2014]をご予約いただき、誠にありが

とうございます。

私がこのロンズのボジョレー・ヌーヴォーの販売に

携わってかれこれ7年が経ちます。

ボジョレー・ヌーヴォーというのは本来その年の

出来を見極めるための行事でもあることから、販売

側としてはその年の出来をありのまま表現すること

が大切なのですが、いつからかイベント要素が強く

なり、『今年も良作!今年も当たり年!』という毎

年同じ宣伝文句で表現せざるおえない状況になって

しまっているのもまた事実です。お恥ずかしながら

私も、7年のうち初期のころはそのように販売して

いました。

でも、ボジョレー・ヌーヴォーの魅力、さらに

ワインの魅力は『良く出来た年』だけではないはず。

もちろん、自然の恵みですから良く出来た年であ

ればそれに越したことはありませんが、生産者さん、

インポーターさん、そのワインがお客様のお口に

運ばれるまでの流通に携わった人たちの『想い』

も含めたすべてがそのワインの魅力であると私は

思っています。

その1本に込められた想いやストーリーを肌で

感じるため、今年2014年9月15日、私はこの

ドメーヌ・ロンズのボジョレー・ヌーヴォー収穫

作業のお手伝いへ行って来ました。

『そこにあったのは、ブドウだけじゃなかった。』

ドメーヌ・ロンズの畑は基本的には除草剤などは

撒かれていないため、ブドウ畑にはブドウの樹に

からみつくように雑草がたくさん生えていました。

その雑草を掻き分けて一房、また一房とハサミで

手摘みしていくのは想像を遥かに超える重労働で

した。

今年は雨が多く厳しい時期もあり、房の内部に

腐敗が進んでいるブドウもありました。それを

また粒ごとに切り取り、できるだけ良い粒だけを

残すのは気の遠くなるような作業でした。

良作の年の方が均等に完熟しているのでもちろん

収穫も楽。むしろ少し厳しい年こそ、生産者さん

の労力は2倍にも3倍にもなります。実際に体験

してみると、

『良作だから買う?不作だから買わない?』

もう軽々しく、そうは言えないのです。

そして収穫したバケツのなかには、ブドウだけ

じゃなくて雑草や野花も少し一緒に入ります。

もちろん醸造する時はできる限り取り除かれる

けれど、きっとそれはその【土地の味】を演出

します。畑に息づくすべての命の味が、この1本

に詰まっているのです。

『横顔が見える味。』

当主のフレデリックとファミリーの横顔を少し

お話しします。フレデリックにはヴェルジニー

という素敵なパートナーがいます。10歳に

なる前妻との息子さん、そしてヴェルジニーに

は17歳になる双子の前夫との息子さんがいて、

共に連れ子カップルで暮らしています。そして

すぐ近くの母屋にはフレデリックのお母さんが

住んでいます。

ヴェルジニーは他にデザイン会社を個人経営

しているキャリアウーマン。70歳をこえる

お母さんは家族みんなの食事を用意したり、

時には自宅の外壁もペンキで塗り直しちゃうほ

どの肝っ玉母さん。一見タイプ違いの嫁姑で

あるヴェルジニーとお母さんだけどとっても

仲良しなんです。

そして、今のところお年頃の17歳の息子さん

より10歳の息子さんの方がワイン造りに興味

があるとのこと。フレデリックがはにかみな

がら話してくれました。『スゴい人』が造っ

たワイン、ではないけれど、フレデリックは

ごく普通の子育てパパで、パートナーとお母

さんを大切にする実直な造り手さん。そのお

人柄がワインにも必ず感じられるはずです。

『ボジョレー・ヌーヴォーにこだわる理由。』

ワインを少し知るようになると、ボジョレー

・ヌーヴォーはあえて選ばないというワイン

愛飲家のご意見はあると思います。でも、私

はこの時期にこうしてボジョレー・ヌーヴォー

解禁がメディアなどで取り上げられることを

きっかけに、

『そっかー、ワインって一年に一度しか

できないんだ。』

と、思う日にして欲しいと思っています。

『良作』や『有名生産者』のワインばかりが

ワインの魅力ではなく、ごく普通の、でも腕

のよい実直な造り手が毎年毎年自然と向き合

いながら丹精込めて造ったワインはヌーヴォー

に限らずたくさんあります。そういうワイン

を、みなさんにこれからも楽しんでいただき

たいと思っています。

それでは、私が摘んだブドウが入っている

かもしれない?!(笑)2014年のお味を

どうぞお楽しみください。

La coccinelle

山田 マミ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Featured Posts   注目記事
Recent Posts    最新記事
BLOG Search By Tags
Follow Us
  • Facebook Classic
bottom of page